大企業サラリーマンの給料は高いって聞くけど実際どうなんだろう?
こんな人のための記事です。
「大企業に入ったもののあまり給料が上がらないな」と感じる人もいると思います。
中小企業に入った人と比べて、給料の実態がどうかを知りたくはありませんか?
今回は最新2023年度の「賃金構造基本統計調査」をもとに、様々な給料格差についてご紹介します。
最後まで見ていただくと以下のことが分かります。
結果だけ知りたい方は、最後のまとめをどうぞ!
「賃金構造基本統計調査」とは?
「賃金構造基本統計調査」は厚生労働省が毎年行っている調査です。
全国の労働者の賃金の実態を把握することを目的としています。
対象は48,651の事業所です。
(有効回答を得た55,490事業所のうち、10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所)
約50,000事業所のデータが反映されています!
大規模な調査ですね。
調査の前提
賃金
賃金構造基本統計調査における“賃金”とは、調査年度の6月分の所定内給与額の平均を指します。
以下として支給される給与を除いた額で、所得税等を控除する前の金額を“賃金”と呼んでいます。
① 時間外勤務手当
② 深夜勤務手当
③ 休日出勤手当
④ 宿日直手当
⑤ 交替手当
残業代を含めない1か月分の給料を調査しているということですね。
対象労働者
対象となる労働者は以下の要件を満たす労働者です。
- 期間を定めずに雇われている労働者
- 1か月以上の期間を定めて雇われている労働者
スポットで一時的に働く方の賃金は含まれないということですね。
企業規模別にみた賃金の差
賃金構造基本統計調査では企業規模を以下のように区分けしています。
・大企業:常用労働者 1,000人以上
・中企業:常用労働者 100~999人
・小企業:常用労働者 10~99人
それぞれの企業規模による賃金の差を以下に示します。
企業規模が大きければ大きいほど賃金は高いという結果になりました。
特に男性の差が大きく、25~29歳では大企業と小企業の差は2.8万円、55~59歳では13.3万円の差があります。
やはり大企業サラリーマンの給料は中小企業に比べて多いですね。
詳細な賃金は以下に表でまとめています。
学歴による賃金の差
学歴による賃金の差を以下に示します。
学歴が高いほど賃金は高いという結果になりました。
女性の方が差が大きく、25~29歳では大学院卒と高卒の差は7.3万円、55~59歳では30.4万円の差があります。
学歴によって月収に30万円も差が出るのは凄いですね。
詳細な賃金は以下に表でまとめています。
役職による賃金の差
役職による賃金の差を以下に示します。
役職は以下のようなイメージです。
部長まで出世できれば平社員の2倍の給料がもらえます。
夢がありますね。
ただ部長まで出世できる人は限られています。
年齢階層別の役職者比率を以下に示します。
(日本労働組合総連合会)
55~59歳で部長になれるのは、男性で約10%、女性は約1%だけです。
優秀な少数の人しか部長になるのは難しそうですね。
業界による賃金格差
業界による賃金の差を以下に示します。
各年齢で最高賃金を赤に、最低賃金を青に色分けしています。
男性は金融、女性は電気・ガスなどのインフラ系の賃金が高いようです。
一方で、男性・女性とも飲食サービス業の賃金は低い傾向があります。
全年齢の平均を見ると、最高賃金と最低賃金の差は以下です。
男性:20.8万円 (金融業 ー 飲食サービス業)
女性:11.9万円 (インフラ系 ー 飲食サービス業)
どの業界の会社で勤めるかで、賃金が大きく変わります。
主要業界の賃金グラフを以下にまとめています。
都道府県による賃金の差
都道府県による賃金の差を以下に示します。
全国平均は31.8万円。
全国平均を超えているのは、東京、神奈川、栃木、愛知、大阪の5つのみです。
賃金が最も高いのは東京(36.9万円)、低いのは青森(25万円)で、その差は11.9万円です。
やはり地方よりも都市圏の賃金が高いですね。
資産形成において20代大企業サラリーマンは何をすべきか
賃金構造基本統計調査の結果から、賃金について以下の傾向があることが分かります。
この傾向を踏まえて、資産形成において20代大企業サラリーマンが何をすべきかを解説します。
転職
もしもあなたが大企業の若手サラリーマンで、資産形成に力を入れたいなら
① 大企業 > 中小企業
② 高学歴 > 低学歴
について改善の余地はありません。
また、
③ 役職付 > 役職なし
は出世するまでに時間がかかります。
手を付けられるのは
④ 金融・インフラ業界 > サービス業
⑤ 都市圏 > 地方
です。
・ ④ 金融・インフラ業界 > サービス業 について
どの業界で働いているかによって賃金は大きく影響されます。
賃金の低い業界で頑張るよりも、賃金の高い業界に転職をした方が給料が上がる可能性が大きいです。
業界による賃金の差を表した表を再度示します。
自分が働いている業界が稼げるかどうかを確認しましょう。
もしも自分の業界の賃金が低くて満足できない場合は、高賃金の業界への転職を検討してみましょう。
⑤ 都市圏 > 地方 について
都市圏の方が賃金が高い傾向があります。
「都市圏の方が生活費が高くなるのでは?」と思うかもしれません。
しかし、物価の差は限定的です。
総務省が調査している消費者物価地域差指数を以下に示します。
消費者物価地域差指数は、各地域の物価水準を全国の物価水準を100とした指数値で示したものです。
物価が最も高い東京と最も安い宮崎の指数比は、104.7 ÷ 96.1 = 1.09 です。
一方、東京と宮崎の賃金の比は 36.9 ÷ 25.4 = 1.45 です。
つまり東京と宮崎について、給料の差 > 物価の差 であり、東京で勤める人の方が資産形成がしやすいということになります。
もしも地方で働いているなら、都市圏で働いた方が資産形成がしやすい可能性が大きいです。
投資
r > g という式をご存じでしょうか?
この不等式はフランスの経済学者トマ・ピケティが書いた『21世紀の資本』という本に記されています。
「r」は、資本収益率。株式や債券、不動産などの資産からの収益のこと。
「g」は、経済成長率。労働によって得られる収益のこと。
r > g は、賃金が増えるスピードよりも金融資産が増えるスピードのほうが早いということです。
大企業に入った時点で、ある程度の給料はもらえているはず。
その給料を増やす努力も大事ですが、お金に働いてもらうことも大事です。
まだNISA口座を作っていない方は、作るところから始めましょう!
まとめ
目次に戻る場合はこちら
今回は様々な給料格差について紹介しました。
勤める企業の大きさ、勤務地、業界によって賃金は影響を受けます。
それを踏まえて、資産形成において20代大企業サラリーマンは以下のことを考える必要があります。
・転職
→賃金が高い業界、賃金が高い都道府県の企業に転職する
・投資
→賃金を上げるだけでなく、お金に働いてもらう
自分が働くこと、お金に働いてもらうことの両輪を考えて、資産形成を進めましょう!
他の人の給料だけでなく、資産額にも興味がある人は以下の記事をご覧ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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