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魂の退社 書評/レビュー 会社員を辞めたい人の背中を押してくれる一冊

書評・レビュー
サラリーマン
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会社員辞めたい・・・

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会社員として働くことに漠然とした不安がある・・・

こんな人におすすめするのが、今回ご紹介する「魂の退社」です。

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著者は50歳で朝日新聞を辞めた女性ライターの稲垣えみ子氏。
見事なアフロヘアが印象的な方です。

朝日新聞で働く中で会社員に疑問を持ち、会社を50歳で辞めた著者。
辞めるまでのこと、辞めてからの生活を、その時々で感じたことを交えながらコミカルな文体で表現した一冊です。

「このまま会社員でいても幸福な将来を期待できないかも・・・」と何となく不安を感じているあなたに必ず刺さる一です。

この記事を書いている人
シャチ
シャチ

結果だけ知りたい方は、最後のまとめをどうぞ!

著者プロフィール

・書籍名:魂の退社 
・著者:稲垣 えみ子
・出版月:2016/6/9
・出版社:東洋経済新報社
1965年生まれ。一橋大を卒業後、朝日新聞社に入社し、大阪社会部、週刊朝日編集部などを経て論説委員、編集委員をつとめる。
東日本大震災を機に始めた超節電生活などを綴ったアフロヘアーの写真入りコラムが注目を集め、「報道ステーション」「情熱大陸」などのテレビ番組に出演するが、2016年に50歳で退社。
以後は築50年のワンルームマンションで、夫なし・冷蔵庫なし・定職なしの「楽しく閉じていく人生」を追求中。

本書で語られるストーリー概略

・就職~30代前半 :東京で散在し放題の生活
・30代後半 :人事異動に一喜一憂する会社員人生に疑問をもつ
・38歳 :東京から香川に異動となる。お金を使わないライフスタイルを身に着ける
・40代 :50歳で会社を辞めることを考える。会社への考えが変わり仕事が面白くなる
・50歳:会社員を辞める

本の概要

会社員でいることの恐怖

30代前半までスクスクと周囲に育ててもらった著者は、 30代後半で出世競争で遅れ始めます。
出世なんて興味がないと思っていたはずが、人事異動に一喜一憂する自分に気づきショックを受けます。

もしかするとこれからの人生は、人事異動が発表されるたびに心がざわつき、恨みツラミのオバケにならぬよう必死で自分をコントロールし続けなければならない人生を過ごさねばならぬのだろうか……。

会社員を経験した人なら、人事で一喜一憂する気持ちは分かると思います。
同期や部下が昇進して自分よりも上の立場になったら、誰だってつらいはず。

かなり出世して例えば役員になっても社長ではありません。
社長になれない限り、社長になった人より劣っていると判断されたことになります。

出世競争は社長以外の人はどこかで必ず「負ける」ことになります
そして「そこそこの立場で満足する」というのは自分が思うよりもずっと難しいのです。

シャチ
シャチ

会社員でいる限り、「人と比べられて劣っていると言われる恐怖」に耐え続けなければなりません。

日本は会社社会

50歳になり会社員を辞めた著者。
あらゆるところで日本が会社社会であることに気づきます。

著者が気付いた会社社会

・アパートを簡単に借りることができない
→会社員でないと支払い能力のない「不審者」扱いされる

・クレジットカードを作れない
→会社員でないと支払い能力のない「不審者」扱いされる

・再就職の意向がない人は失業保険を受け取れない
→会社員を辞められない仕組みになっている

福利厚生や配偶者の扶養など、会社員でいることのメリットはあります。
仕事でも、会社に勤めているからこそ取引先に相手にしてもらえます。

会社を辞めたことで、会社員だったときに履いていた下駄の高さを著者は知りました

日本は就業者の90%が雇われの身です。
(令和4年労働力調査より)

会社員でない人は圧倒的マイノリティなのですね。

シャチ
シャチ

日本はまさに「会社員にあらずんば人にあらず」の国です

会社依存度を下げよう

会社員を辞め、会社を外から見つめたことで、日本の会社というシステムが限界にきていると著者は気付きます。

すでにたくさんのモノがあふれており、これ以上モノが売れない。

そんな中で利益を上げようとすると、

 1:働く人を安く使い捨てにするか
 2:客をだますか

のいずれかをしなくてはいけません。

何も考えずにそんな会社社会に翻弄されていても明るい未来はありません。

著者は会社依存度を下げること、つまり「カネ」と「人事」に振り回されないようにしようと提案します

具体的には以下のアクションです。

「カネ」依存度を下げるには

・自分に本当に必要なものを改めて見直してみる
・お金をかけない楽しみを見つける

シャチ
シャチ

会社への「カネ」依存度を下げる方法には副業や投資もありますね

「人事」依存度を下げるには

・会社で働くこと以外に、何でもいいから好きなことを見つけてみる
・同じ趣味を持つ仲間を作る

シャチ
シャチ

会社でエラくなった人が、テニスの社会人サークルでも尊敬されるかというとそんなことはありません

本書を読んで感じたこと

会社を辞めると決めてから、有給休暇を使って25日のインド旅行をした著者。
当時を以下のように述べています。
仕事について考えさせられる非常に印象的な部分です。

しかしですね、これが思った以上に落ち着かないのでした。
(中略)
で、結局何をしていたかというと、インドリゾート滞在記をせっせと書き、写真を撮り、フェイスブックで発信し続けていたのでした。
もちろんお金になるわけじゃありません。
でも体験したことを文章にまとめ、人に面白く伝える。
そして、その文章が読まれ、喜ばれ、反応が返ってくる。
そのことが本当に楽しくて楽しくて、寝る間も惜しんで書き続けたのです。

私もブログ記事を書いているときに同じことを思います。
書いたからといって大したお金になるわけではない。
なのに、お金をもらって「やらされている」普段の仕事よりも数倍、数十倍、楽しいのです。

定期収入という甘い蜜の味が忘れられず、会社員を辞める勇気は私にはまだありません。
ただ、会社依存度を徐々に下げて、いずれ自分がやりたいことだけをして生きていきたいと、本書を読んで強く思いました。

まとめ

目次に戻る場合はこちら

今回は『魂の退社』について紹介しました。

本の概要

・会社員でいる限り「人と比べられて劣っていると言われる恐怖」に耐え続けなければならない
・日本は会社社会
・「カネ」と「人事」の依存度を下げて会社依存度を下げよう

会社員でいることのメリットもちゃんと書いたうえで、
「会社って何なの?」
「会社員のままでいいの?」
ということを考えさせられる一冊になっています。

会社員を辞めようかどうか迷っている人はその背中を押してくれると思います。
また、今すぐ辞めたいというわけではないけど、会社員の将来に疑問があるという人も、 自分の働き方を見つめ直すきっかけになると思います。

今回は紹介していませんが、 本書には以下も記載されています。

・香川県民がお金が貯まりやすい理由
・電気を使わないで生活する方法
・会社員を辞めることの具体的メリット

タメになるかどうか以前に、シンプルに読み物として面白いです。
普段本を読んでいない方もグイグイ読んでしまうと思います。

シャチ
シャチ

気になる方はぜひ一読を!

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漫然と会社員を続けることの金銭的なリスクについては以下の記事にまとめています。
是非あわせてご覧ください。

シャチ
シャチ

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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