終始繰り返される日本人への否定的な表現にはイラッとしますが、蓄財やビジネスでの成功に関して参考になるポイントが盛りだくさんです。
また引用される物語がとてもわかりやすく、記憶に残りやすいです。
資産形成に興味がある人や、ビジネスでの成功を考えている人にはぜひ読んでほしい一冊です。
また、物事についてよく考える習慣を子どもに身につけさせたい親御さんにも、ぜひ読んでほしいです。

著者プロフィール
・書籍名:ユダヤ人の成功哲学『タルムード』金言集
・著者:石角 完爾
・出版月:2012/4/20
・出版社:集英社
1947年京都府出身。
通産省を経て、田中角栄の勧めでHarvard大へ入学。国際弁護士となる。
日本におけるマイケル・ジャクソンの顧問弁護士や国際的な大型M&Aのエキスパートして活躍。
2007年、5年に渡る厳格な修行の元にユダヤ教に改宗し、ユダヤ人となる。
本の目次
はじめに ー タルムードに満載されているサバイバルの知恵
第一章 お金を引き寄せるユダヤ哲学
・魔法のザクロ
・七匹の太った牛と七匹の痩せた牛
・お金を恵むなら全員に
・土地は神が与えたもうもの
・ナポレオンとニシンの話
・金の冠をかぶった雀
・正直な仕立て屋
・ソロモン王のウィズダム
・ウィズダムを売る老婆
第二章 タルムードの知恵をビジネスに活かす
・悪魔と助産婦
・神との交渉
・デボラの闘い
・手と足と目と口、一番偉いのは誰?
・モーゼの反論
・キツネと葡萄畑
・用心しすぎたアラブの商人
・難破船の三人の乗客
・明日に種を蒔け
・二人の乞食
・ユダヤ人の黒い瞳
・あるラバイの最悪で最高の災難
・道に迷ったお姫様
第三章 すべてを捨てる覚悟が道を拓く
・青年アダムスの疑問
・悪いのは誰?
・ノアの方舟の真実の話
・追い詰められたユダヤ人の奇策
・兵士とパスポート
・小島と水
・グルメは死罪だ
・パラダイスを見つけた男
・ヘブライの王の助言
・母鳥と三羽のヒナ
・10個のクッキーの与え方
・鶏の卵の運び方
・愚かな農夫
・メロディーを買った青年
・村人の三つの願い
総合評価
S 人生が変わる神本
A 絶対に読んで
B 時間があれば読んで
C 強いて読まなくてもいい
D 時間の無駄
S 人生が変わる神本
A 絶対に読んで
B 時間があれば読んで
C 強いて読まなくてもいい
D 時間の無駄
過去・現在において、多くのユダヤ人がビジネスや芸術の世界で活躍しています。
Googleの創業者であるラリー・ペイジや、Facebookの創業者であるマーク・ザッカーバーグもユダヤ人です。
そんなユダヤ人は、聖典であるヘブライ聖書やタルムード(口伝律法とヘブライ学者の議論集をまとめたもの)を子どもの頃から読むことで、リスクコントロールやリスク分散を学びます。
本書では、ヘブライ聖書やタルムードに書かれた物語を紹介するとともに、そこから学べることや、ユダヤ人がどのようにそれらを親から子へ伝えているのかを解説しています。
紹介されている物語は非常に短い(長くても4ページ)ながら、どれも学びがあり、何より面白いです。
また、物語になっているため、普通のビジネス書と比べて頭に残りやすいです。
ただ、それぞれの物語が終わった後に書かれている筆者の解説が、かなり押しつけがましく感じました。
終始「ユダヤ人はすごい。一方で日本人は全然ダメだ」という内容が繰り返されており、「どれだけ日本人が嫌いなのか」と途中から呆れてしまうほどでした。
筆者は難関の試験を突破してユダヤ教に改宗した珍しい人物ですが、生粋の日本生まれ日本育ちです。
同族嫌悪というものなのかもしれません。
「美味しいものを食べているから日本人はダメだ」と言い出したときは、さすがに笑ってしまいました。
筆者の日本人への否定的な解説はともかく、資産形成やビジネスにおいて有益な学びが多く得られます。
何より物語形式になっているため、子どもに読み聞かせやすい点も魅力です。
本書で語られているユダヤ人のように、子どもに物語を読んでから「どう思う?」「なぜ?」などと質問を繰り返すことで、自分の頭で物事を考える習慣を身につけさせることが期待できると思います。
個別評価(資産形成・経済本として)
新規性 ー 新しい情報があるか
今までに見たことがなく、人生を変える価値観を学べる
今までに見たことがないアイデア、見方を数多く学べる
今までに見たことがないアイデアがいくつかある
今までに見たことがない情報がいくつかあるが、役には立つものは少ない
目新しい情報はほとんどない
日本人にとってタルムードはなじみがないため、とても新鮮です。
汎用性 ー 多くの人の役に立つか
多くの人の役に立つ
ある対象の人に対して役に立つ
僅かだが役に立つ人がいる
ほぼ誰の役にも立たない
資産形成やビジネスで役立つため、多くの人にとって有用です。
わかりやすさ ー 理解しやすい工夫があるか
普通に読めば内容を理解できる
集中して読めば内容を理解できる
何回も読まなければ内容を理解できない
意味不明
物語をベースとしているため、非常にわかりやすく、頭に残ります。
ただし、物語に対する筆者の解説には、疑問に思う点がいくつかあるため、スルーするのがよいでしょう。
実用性 ー 本を読んですぐに役に立つか
読んで即座に実行できるアイデアがいくつかある
即座に実行できるアイデアはないが、長期的にみれば役に立つ
確率は小さいが、人生のどこかで役に立つかもしれない
役に立たない
本書はタルムードから成功哲学を学ぶ内容のため、すぐに実生活に活かせるわけではありません。
しかし、心に落とし込んでおけば、長期的に見て役立つ考え方が多数書かれています。
個別評価(育児本として)
新規性 ー 新しい情報があるか
今までに見たことがなく、人生を変える価値観を学べる
今までに見たことがないアイデア、見方を数多く学べる
今までに見たことがないアイデアがいくつかある
今までに見たことがない情報がいくつかあるが、役には立つものは少ない
目新しい情報はほとんどない
日本人にとってタルムードはなじみがないため、とても新鮮です。
育児用途としても今までに見たことが無い内容です。
汎用性 ー 多くの人の役に立つか
多くの人の役に立つ
ある対象の人に対して役に立つ
僅かだが役に立つ人がいる
ほぼ誰の役にも立たない
物語の読み聞かせができる年齢のお子さんが対象です。
「どう思う?」「なぜ?」という問答に意味があるので、幼稚園~小学生までが対象になると思います。
中高生のお子さんは問答に付き合ってくれないかも?
わかりやすさ ー 理解しやすい工夫があるか
普通に読めば内容を理解できる
集中して読めば内容を理解できる
何回も読まなければ内容を理解できない
意味不明
幼稚園~小学生のお子さんに渡してそのまま読ませるのは難しいので、読んであげて、「どう思う?」「なぜ?」と聞いてあげるのがよいです。
物語の中身自体は幼稚園生でも非常に分かりやすいものになっています。
実用性 ー 本を読んですぐに役に立つか
読んで即座に実行できるアイデアがいくつかある
即座に実行できるアイデアはないが、長期的にみれば役に立つ
確率は小さいが、人生のどこかで役に立つかもしれない
役に立たない
本書はタルムードから成功哲学を学ぶ内容のため、すぐに実生活に活かせるわけではありません。
しかし、心に落とし込んでおけば、子供の人生において役立つ考え方が多数書かれています。
印象に残ったポイント
ナポレオンとニシンの話
ナポレオンがヨーロッパを征服したときに、それぞれ征服した国の協力者に「お前たちに褒美を取らせるから、何が欲しいか行ってみろ」と言った。
フランス人は「ワイン畑とワイン工場が欲しい」、ドイツ人は「麦畑とビール工場が欲しい」、イタリア人は「小麦畑とおいしいパスタ工場が欲しい」と申し出た。
ところがユダヤ人は「ニシンを二匹だけ欲しい」と言った。その願いはすぐに叶えられ、ユダヤ人はニシンをもらって帰った。
他国の人々からは「ナポレオン様がせっかくご褒美をくれると言っているのに、そんなちっぽけなものをもらって、ユダヤ人はバカだな」と言われた。
しかし、ナポレオンはすぐに没落して、願いが叶ったのはユダヤ人だけだった。ユダヤ人を嘲笑した他の国の協力者は何一つもらえなかった。

ローリスクローリターンを繰り返せという内容です。
これは良著『マネーの公理』でも紹介されている哲学ですね。
二人の乞食
中世のあるときに、二人のユダヤ人の乞食が、キリスト教王国フランスにやって来た。二人は生き延びていくために、お金を集めようと考えた。
一人はユダヤ教の象徴のダビデの星を置いて、道端で恵みを乞うた。もう一人は、十字架を布の上に置いて、道行く人に恵みを乞うた。
当時のフランスは、キリスト教徒が圧倒的に多かったので、当然十字架を置いた方に多くの硬貨が投げられた。
十字架の方のユダヤ人にお金が貯まると、物陰でそのコインをダビデの星を置いているもう一人のユダヤ人に渡した。ダビデの星の方に効果が山と積まれ、十字架の方にはまったくないという状況をわざと作ったのだ。
たまたま通りかかったキリスト教の神父が、十字架の方の布には全く硬貨がないのに、ダビデの星には山ほど硬貨があるのを見て、「これは、キリスト教の乞食の方よ、おかわいそうに。キリスト教の神父である私がユダヤ人に負けないくらいにお金をお恵みさせていただきます」と言って、何枚ものコインを十字架の方の布に置いていった。
こうしたことを何日も繰り返して、二人は商売を始める元手を稼ぐことができた。

人とお金を動かす仕組みを、人々の心理を読んで作るという内容です。
思考停止で汗水を垂らして働くのではなく、頭を使って有利なポジションに自分を置く大切さが学べます。
愚かな農夫
あるところに愚かな農夫がいた。耕作用の牛と、荷物運搬用のロバに同じくびき(車を引くために使う積木)をつけて、牛とロバを一緒に進ませようとした。しかし、牛とロバは足並みが合わず、歩みを止めてしまった。
農夫は「なぜ二匹とも動かないのだ」と怒り、牛とロバを鞭で打ち続けた。そのために、牛もロバも死んでしまい、新しく買わなければならなかった。
それでも農夫は、自分の間違いに気づかず、牛とロバに同じくびきをつけ、鞭打ちをやめなかったので、生涯貧しい暮らしから抜けられなかった。

子供の個性を見極め、その子に合った教育を行う大切を説く物語です。
自分が子供と接する時に頭に置いておきたい内容です。
まとめ
資産形成に興味がある人や、ビジネスでの成功を考えている人にはぜひ読んでほしい一冊です。
また、物事についてよく考える習慣を子どもに身につけさせたい親御さんにも、ぜひ読んでほしいです。
筆者の解説はスルーしてよいので、紹介されている物語をぜひ一読してほしいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!
にほんブログ村
応援クリックいただけると励みになります!