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【絶対に読んで】親子で学ぶ どうしたらお金持ちになれるの? 書評・レビュー

親子で学ぶ どうしたらお金持ちになれるの? A

経済的に合理的な行動をとることが、お金持ちになるうえで重要なポイントであるとわかる良書です。
小学生(高学年)でも理解できるようにやさしく書かれていますが、大人が読んでも非常に勉強になります。
(というよりも、この本の内容をしっかり理解できている大人は少数派ではないでしょうか)

子育てをしている親御さんには、ぜひ全員に読んでいただきたい一冊です。
一方で経済本としては、橘玲さんの本をすでに読んだことがある人にとっては、やや物足りなさを感じるかもしれません。

この記事を書いている人
Shachiblo.com

著者プロフィール

・書籍名:親子で学ぶ どうしたらお金持ちになれるの? ――人生という「リアルなゲーム」の攻略法
・著者:橘 玲
・出版月:2024/11/27
・出版社:筑摩書房

1959年生まれ。
早稲田大学卒業。
編集者を経て、2002年、経済小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。
小説、評論、投資術など幅広い分野で執筆。

本の目次

はじめに あんな大人になるんじゃないぞ

ステージ1 なにかを選べば、別のなにかをあきらめなければならない
☑トレードオフを理解する【レベル●】
ゲームにはルールがある/「奪う」と「あきらめる」/
「はたらく」と「借りる」/ズルをする/「交渉する」

【コラム】子どもに「お金はなぜ大事なの」と聞かれたら?

★コスパを学ぶ【レベル●】

★「ギブ」と「テイク」を学ぶ【レベル●●】
お金をギブしてもいいときと悪いとき

★「世界」の仕組みを学ぶ【レベル●●●】
「わたし」は世界の中心

☑「タイパ」を理解する【レベル●】
タイムパフォーマンス/親子の利害は対立する

★友だちの法則を学ぶ【レベル●●●】
「世界」の人数は150人/時間資源の配分問題

ステージ2 お金はどのように増えていくのか
☑複利を理解する【レベル●】
アリ君とキリギリス君の運命/複利は「人類最大の発明」

【コラム】子どもに「なぜ勉強しなくちゃいけないの?」と聞かれたら
【コラム】子どもから「AIがあるから勉強なんかしなくていい」といわれたら

ステージ3 楽しいことはすぐに慣れてしまう
☑限界(げんかい)効用(こうよう)の逓減(ていげん)を理解する【レベル●】
楽しさはすこしずつ減っていく/お金が増えると幸福になるのか

☑「努力の限界効用の逓減」の法則を理解する【レベル●●】
努力は報われるのか/ゼネラリスト戦略/スペシャリスト戦略

★ロングテールの仕事とベルカーブの仕事を学ぶ【レベル●●】
大谷翔平はロングテール/仕事を成功確率で考える/「夢を追う」ということ

ステージ4 人生で大事なことはすべてギャンブルが教えてくれる
☑確率的な出来事を理解する【レベル●●】
確率的な出来事と因果的な出来事/統計学のパワー/ゼロサムゲームの世界観

★ゲームのコストを学ぶ【レベル●●】
カジノは必ず得をする
【コラム】子どもに「なぜギャンブルをしちゃダメなの?」と聞かれたら
「ぜったい儲かる」ゲームはぜったい損する
【コラム】子どもに「なぜ約束を守らないといけないの?」と聞かれたら
【コラム】子どもに「なぜ親のいうことをきかないといけないの?」と聞かれたら

☑リスパの法則を理解する【レベル●●●】
勝ったときのことよりも、最悪のことが起きたときのことを考える/ハイリスクに挑戦する

ステージ5 時間には値段がある
☑金利というタイムマシンを理解する【レベル●●】
「いまのお金」と「未来のお金」/タイムマシンでゲーム機を手に入れる
タイムマシンの乗車賃を計算する/お金を貸すひと借りるひと

★「未来の自分」を大切にすることを学ぶ【レベル●●】

【コラム】子どもに「どうすれば成功できるの?」と聞かれたら

☑レバレッジを理解する【レベル●●●】
てこを使ってお金を増やす/よいこともヒドいことも倍になる

【コラム】子どもに「なぜ借金しちゃいけないの?」と聞かれたら

ステージ6 市場(しじょう)でお金を生み出すには
☑市場取引を理解する【レベル●】
キノコと魚の交換(こうかん)/世界をゆたかにするパワー

★ブローカーの役割を学ぶ【レベル●】
ブローカーの報酬(ほうしゅう)/市場はゆたかさを生み出す場所/もっとも大事なメッセージ

★「選択(せんたく)」と「自由」を学ぶ【レベル●●】
ボロ儲(もう)けするブローカー/自由とは選択できること/友だちを選択する

☑アイデアとネットワークの交換を学ぶ【レベル●●】
アイデアを公開する/友だちを紹介(しょうかい)する

ステージ7 はたらくってどういうこと?
☑仕事と報酬(ほうしゅう)の関係を理解する【レベル●】
【コラム】子どもに「なぜお手伝いをしなくちゃいけないの?」と聞かれたら

エントロピー増大の法則/よい習慣をつくる

★なぜお金を払(はら)ってくれるのかを学ぶ【レベル●】
「必要としていないし、楽しくもないこと」にお金を払ってくれるひとはいない/
「お金で釣(つ)って勉強させる」は効果がある?/勉強をゲーム化する

☑人的資本を理解する【レベル●●】
人的資本は3つある
【コラム】子どもに「なぜ大学にいかなくちゃいけないの?」と聞かれたら
小さな失敗では人生は変わらない

★分業で人的資本にレバレッジをかけることを学ぶ【レベル●●●】
分業とは人的資本にレバレッジをかけること/正しいシグナルを発する

☑絶対(ぜったい)優位(ゆうい)と比較(ひかく)優位(ゆうい)を学ぶ【レベル●●●】
人間関係を選択(せんたく)する

ステージ8 ハックする
☑ニッチ戦略を理解する【レベル●】
99%の習慣に従い、1%の習慣を疑え/自分だけのニッチを見つける

★ヒーローテストを学ぶ【レベル●】
クールなハッカーを目指せ/ヒーローがしないことはやらない

★SNS社会をどう生き延びるかを学ぶ【レベル●●】
説明責任とはなにか?/「よい評判を集めること」と「悪い評判を避(さ)けること」

特別ステージ 人生で役に立つ7つの法則
☑これを知っているだけで人生は楽しくなる【レベル∞】
1 100倍の法則
2「奇跡(きせき)は起きない」の法則
3「君は友だち5人の平均」の法則
4「わたしはわたし」の法則
5 トライ・アンド・エラーの法則
6「世界は理不尽(りふじん)である」の法則
7「恵まれてないほうが人生は面白い」の法則

あとがき

総合評価

育児本として
資産形成・経済本として

本書は、家庭で子どもが市場経済のルールを体験することを目的とした一冊です。
お金、時間、仕事といった人生における最重要事項がどのような仕組みになっているのか、そしてその仕組みを理解したうえで、どのように考え、行動すればよいのかがわかります。

仕組みの理解を深めるために、親子で一緒に取り組めるゲームがいくつも紹介されており、子どもに本の内容を伝えやすくなっています。
また、「なぜ勉強しなければいけないの?」「なぜ親の言うことを聞かなくちゃいけないの?」といった子どもからの素朴な質問にどう答えるべきかについてのコラムもあり、これは親にとって非常に参考になります。

子どもを持つ親であれば、ぜひ子どもと一緒に読んでいただきたい一冊です。
ポンと子どもに渡して一応の内容を理解できるのは、中学生以上という印象です。

経済本としては、橘玲さんの本をすでに読んだことがある人にとっては、やや物足りなさを感じるかもしれません。
というのも、過去作のエッセンスをわかりやすくまとめた内容だからです。
一方で、橘玲さんの著作を初めて読む方にとっては非常にわかりやすい入門書となっており、この本を入り口にして橘玲ワールドに触れることをおすすめします。

個別評価(育児本として)

新規性 ー 新しい情報があるか

 子どもにお金、時間、仕事について教える本としては新鮮な内容が多く、「子どもの頃にこの内容を知りたかった」と感じる項目が多いです。

汎用性 ー 多くの人の役に立つか

すべての子育て世代にとって役立ちます。
この本を十分に理解するには、子ども自身が「人生の資源(お金)」が有限であるということをある程度実感している必要があります。
少なくとも小学生以上であることが望ましいですが、未就学児を育てる親にとっても、将来的に役立つ知識が詰まっています。

わかりやすさ ー 理解しやすい工夫があるか

非常にやさしく書かれていますが、一部に難しい内容(たとえば金利やレバレッジについてなど)があります。
子どもにポンと渡して内容を理解できるのは、中学生以上だと思われます。
一緒に読むか、親が先に読んでから、書籍内のゲームなどを通じて一緒に学ぶのがよいでしょう。

実用性 ー 本を読んですぐに役に立つか

子どもにとっては、お金の使い方や人間関係について、すぐに実行できるアイデアが多数あります(もちろん、本の内容をしっかり理解できた場合に限ります)。

個別評価(資産形成・経済本として)

新規性 ー 新しい情報があるか

橘玲さんの主要著作を読んだことがある人にとっては、新しい情報は少なめです。
子ども向けにわかりやすく書かれているため、橘玲さんらしいダークな切り口は控えめです。

汎用性 ー 多くの人の役に立つか

お金、時間、仕事という人生の最重要項目を理解する内容なので、すべての人にとって役立ちます。

わかりやすさ ー 理解しやすい工夫があるか

子ども向けに書かれているため、非常にわかりやすく、イラストも多いです。
ページ数も191ページとコンパクトで、1〜2時間もあれば読み切れます。

実用性 ー 本を読んですぐに役に立つか

お金、時間、仕事についてどのように考えるかを学ぶ本なので、すぐに実生活に活かせる内容は限られます。
ただし、心に落とし込んでおけば、長期的に役立つ考えが数多く書かれています。

印象に残ったポイント

友達の法則

時間の制約があるため、親友や友達をどんどん増やしていくことはできない。
ある研究によると、平均的な親友の数は5人、その周辺の友達の数は10人。
だれか親友を作れば、今の親友の1人は、友達に格下げしなくてはならない。

シャチ
シャチ

友達も資源制約(トレードオフ)の問題であるとわかる部分。
橘玲さんらしいダークな切り口を本書で感じた唯一の部分です。

99%の習慣に従い、1%の習慣を疑え

「みんながやっていること」はこれまでたくさんの人が試してみて、一番うまくいった可能性が高いので、ほとんどの習慣には従うほうが効率的。
しかし、どんな仕組みも複雑になるほど、小さなゆがみが生まれる。
このゆがみを誰よりも先に見つけて上手に利用すれば、お金持ちになれる。

100倍の法則

人生で役に立つ7つの法則の1つとして紹介されている法則。

人は自分が世界の中心だと錯覚している。だから、
●自分に起きたことは100倍強く感じる
●他人に起きたことは100倍弱く感じる

この錯覚を治すのはとても難しいが、次のことを覚えておくと生きやすくなる。
●自分にとってはどうでもいいような少しの意地悪でも、相手はものすごく傷ついて、一生忘れないかもしれない
●相手の言葉や行動にすごく傷ついても、それはじつはどうでもいいことかもしれない

子供だけでなく、大人にとっても覚える必要がある法則。

まとめ

子育てをしない方や、今後する予定のない方にとっては、必ずしも読むべき本ではありません。
他の橘玲さんの著書のほうが、読みごたえがあるかもしれません。

一方で、子育てをしている親御さんには、ぜひ全員に読んでいただきたい一冊です。
「子供のときに知っておきたかった」と思う内容ばかりが詰まっています。

シャチ
シャチ

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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