資産レベルを6段階に分け、それぞれのレベルにいる人が次のレベルに上がるために何をすべきか、何に気を付けるべきかを解説する良著です。
すぐに役立つ本ではありませんが、「富の階段」というフレームワークを頭に入れておくのは大変有意義です。
お金をどう増やせばよいか、という面に本の多くが割かれていますが、「お金だけあっても意味がなく、お金を使ってどんな人生を歩むかが重要」ということも後半に書かれています。
後半の内容はオリジナリティに欠ける内容なので、急ぎの人は読み飛ばしてもよいかもしれないです。

著者プロフィール
・書籍名:THE WEALTH LADDER 富の階段 ── 資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略
・著者:ニック・マジューリ
・出版月:2025/11/12
・出版社: ダイヤモンド社
Ritholtz Wealth Management社の最高執行責任者兼データサイエンティスト。
同社の業務全体を監督し、ビジネスインテリジェンスの観点から有益な分析を行っている。ウォール・ストリート・ジャーナルやCNBC、ロサンゼルス・タイムズなどに記事を寄稿。
緻密なデータに基づくパーソナルファイナンス関連の人気ブログ「OfDollarsAndData.com」を執筆している。
著者の前著である『JUST KEEP BUYING』も良著です。
本の目次
★日本のみなさんへ
★はじめに:50年以上のデータから導き出されたお金持ちになれる人の「共通点」と「落とし穴」
【第1部】人生を変える「富の階段」とは?
★第1章:富の階段でお金の使い方が変わる
★第2章:無理なく収入を増やし、富の階段を登ろう
★第3章:投資で富の階段をらくらく登ろう
【第2部】「富の階段」をかけ上がる6つの戦略
★第4章:【富の階段】レベル1 ── 生存戦略
★第5章:【富の階段】レベル2 ── 教育&スキル戦略
★第6章:【富の階段】レベル3 ── 投資戦略
★第7章:【富の階段】レベル4 ── 起業戦略
★第8章:【富の階段】レベル5 ── 事業拡大戦略
★第9章:【富の階段】レベル6 ── 資産防衛戦略
★第10章:富の階段を登るにはどれくらいの年月がかかるのか?
【第3部】自分のゴールの見つけ方
★第11章:お金で幸せは買えるか
★第12章:人生を変える4つの富 ── 社会的な富・精神的な富・身体的な富・時間的な富
★第13章:富の階段を登る私の旅
★おわりに:複雑さの中でシンプルさを見つけよう
総合評価
S 人生が変わる神本
A 絶対に読んで
B 時間があれば読んで
C 強いて読まなくてもいい
D 時間の無駄
著者は資産額に応じて6段階に富の階段を区分します。
お金から得られる喜びは直線状に増加するのではなく、段階的に増加するということです。
・レベル1 資産1万ドル未満
・レベル2 資産1万ドル ~10万ドル
・レベル3 資産10万ドル ~100万ドル
・レベル4 資産100万ドル ~1000万ドル
・レベル5 資産1000万ドル ~1億 ドル
・レベル6 資産1億ドル ~
資産の0.01%は払ってもとるに足らない金額であり、これを基にすると各レベルは以下となります。
・レベル1 支出をすべて細かく管理しなくてはならない
・レベル2 値段を気にせずスーパーで食品を選べる
・レベル3 値段を気にせずレストランで好きなメニューを選べる
・レベル4 好きな時に好きな場所に旅行できる
・レベル5 資産全体に大した影響を与えずに夢の家を買える
・レベル6 お金で他人の人生に大きな影響を与えられる
そして各レベルの人が次のレベルに上がるためには以下の行動をする必要があります。
・レベル1→生き延びること
・レベル2→教育を受けスキルを磨くこと
・レベル3→投資をすること
・レベル4→起業すること
・レベル5→事業を拡大すること
・レベル6→資産を守ること
各レベルでは資産を増やすための手法が異なり、今までの延長線では資産が増えなくなっていきます。
漠然と資産を増やしたいと思うのではなく、自分のレベルに見合った行動を認識して行動に移すことができるようになるのが、本書の良い点です。

レベル4以上はビジネスを起こしたり、共同参画したりすることが必要であることは興味深いですね
気になった点
本の3分の2で資産レベルの上げ方を解説する一方、残りの3分の1では、「お金が増えれば幸せになれるのか?」という問いから始まり、真の豊かさを得るためにどうすればよいかを解説しています。
筆者はお金は塩のようなものだと述べています。
塩(お金)は、食材(人間関係や趣味、仕事、人生の目的など)の風味を高めてくれますが、お皿いっぱいの塩だけあっても一緒に食べるものがなければ意味がありません。
後半3分の1の大枠のメッセージは、上記の塩の表現のように印象的なものがある一方、 お金以外の豊かさをどのように見つけるかについては、少しオリジナリティに欠ける印象でした。
本書の良さはやはり、前半3分の2に書かれている、富の階段というフレームワークかなと思います。
個別評価
新規性 ー 新しい情報があるか
今までに見たことがなく、人生を変える価値観を学べる
今までに見たことがないアイデア、見方を数多く学べる
今までに見たことがないアイデアがいくつかある
今までに見たことがない情報がいくつかあるが、役には立つものは少ない
目新しい情報はほとんどない
「富の階段」というフレームワークは斬新で有意義です。
また0.01%ルールも各レベルの人がどのようにお金を認識できるかを具体的に把握できるアイデアです。
汎用性 ー 多くの人の役に立つか
すべての人の役に立つ
多くの人の役に立つ
ある対象の人に対して役に立つ
僅かだが役に立つ人がいる
ほぼ誰の役にも立たない
すべての人がいずれかの資産レベルに区分けされます。
レベルを上げたいかどうかはともかく、自分がどこにいるかは把握しておくべきです。
わかりやすさ ー 理解しやすい工夫があるか
パッと見て内容を深く理解できる
普通に読めば内容を理解できる
集中して読めば内容を理解できる
何回も読まなければ内容を理解できない
意味不明
イラストはほぼありません。
約400ページで読み終わるのに5時間かかりました。
海外訳本ということもあり、ある程度の集中力は必要です。
実用性 ー 本を読んですぐに役に立つか
読んで即座に実行できるアイデアが数多くある
読んで即座に実行できるアイデアがいくつかある
即座に実行できるアイデアはないが、長期的にみれば役に立つ
確率は小さいが、人生のどこかで役に立つかもしれない
役に立たない
「富の階段」というフレームワークは 即効性はありませんが、資産を増やす際にどのような戦略を立てればよいか決める際の羅針盤となる。
印象に残ったポイント
0.01%ルール
資産の0.01%はとるに足らない金額というルール。
各レベルに照らし合わせると以下になる。
・レベル1 支出をすべて細かく管理しなくてはならない
・レベル2 値段を気にせずスーパーで食品を選べる
・レベル3 値段を気にせずレストランで好きなメニューを選べる
・レベル4 好きな時に好きな場所に旅行できる
・レベル5 資産全体に大した影響を与えずに夢の家を買える
・レベル6 お金で他人の人生に大きな影響を与えられる
1%ルール
ある収入機会が資産の1%以上増やすなら利用すべき、というルール
お金が持つ価値は、資産レベルによって影響を受ける。
資産がほぼない人にとっての1万円と、資産1億円の人にとっての1万円は、価値が全く違います。
それを認識していないと、ある程度お金が貯まったときに、豊かさを感じなくなってしまいます。
本書で語られるとおり、お金だけあっても豊かな人生にはなりません。
お金を使ってどんな人生を築くかが重要です。
富の階段というフレームワークは押さえておきたいが、それを登るかどうかは個人の自由です。
まずは本書を読んで、自分のレベルがどこなのか認識してほしいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!
にほんブログ村
応援クリックいただけると励みになります!


